第5回|「歩くことが治療になる」——生理歩行を習慣化し、身体が自ら整う未来へ

ここまで4回にわたり、二足歩行の負担、靴の役割、インソールの重要性、成長過程の動作についてお伝えしてきました。最終回となる第5回では、整えた歩行を「日常に根付かせる方法」をテーマにお届けします。

こもれび治療院では、施術で身体を整えるだけでは終わりません。
「日常生活そのものが治療になる」
「歩くことがあなたを回復させる」
という状態を目指します。そのために必要なのが、生理歩行の“習慣化”です。

生理歩行は「疲れない歩き方」だから続く

生理歩行を身につけた方が口をそろえて言うことがあります。
「歩くのがラクになった」
「勝手に身体が前に進む」
「長時間歩いても疲れにくい」
これは、生理歩行が筋力の“頑張り”ではなく、身体の構造と地面反力を利用した自然な歩き方だからです。

正しい歩行は、エネルギー消費が少なく、負担が偏らず、続けやすい。
これが、「歩行は最高のセルフケア」と言われる理由です。

日常生活がそのまま「治る時間」になる

インソールで軸をつくり、靴で土台を整え、成長過程の動作で身体の使い方をリセットする。
ここまで来て初めて、生理歩行が自然に再現されるようになります。

この状態になると、歩くたびに身体は整っていきます。

  • 歩くたびに骨盤が整う
  • 歩くたびに姿勢が安定する
  • 歩くたびに自律神経が整う
  • 歩くたびに呼吸が深くなる

つまり、通院で整えた身体が「生活の中で勝手に維持される」段階に入るのです。
これが、こもれび治療院が目指す“自分で治せる身体づくり”の本質です。

生理歩行を習慣化するための3つのステップ

治療院に来たときだけ生理歩行を再現しても意味がありません。
大切なのは、「できる状態」を日常に持ち帰り、継続することです。

① 毎日5〜10分だけ歩く習慣を作る

まずは、長時間歩く必要はありません。
通勤の一駅手前で降りる、昼休みに少し歩く、買い物に歩いて行くなど、生活の中に短い歩行時間を組み込みます。

量より質です。生理歩行の感覚が「思い出される」時間を作ることが大切です。

最終的には、週3回~4回、43分~50分/回を目指しましょう。

② インソールと靴を優先順位のトップに置く

忙しい日でも、靴とインソールだけは欠かさない。
これは生理歩行の習慣化において最重要ポイントです。

土台(靴)と軸(インソール)が整っていれば、歩行は自然に修正されます。
逆に、どんなに良い歩き方を身につけても、靴が合わなければ歩行は崩れてしまいます。

③ 成長過程の動きを週1回でいいので行う

寝返り・ハイハイ・立ち上がりなどの基礎動作は、歩行の“チューニング”になります。
週に1度でもいいので行うことで、身体が正しい動作を維持しやすくなります。

歩行と土台と神経の連動。
この3つが揃ったとき、「歩く習慣」が「治る習慣」に変わります。

歩行はあなたの未来の健康資産になる

「もっと運動しなきゃ…」
「筋トレを続けられない…」
そんな風に思う必要はありません。

人生で最も回数が多い動作は“歩くこと”。
つまり、ここを整えるだけで、未来の健康が大きく変わります。

生理歩行が習慣化すると、

  • 慢性的な肩こり・腰痛が出にくくなる
  • 姿勢が安定し、体幹が自然に使える
  • 呼吸が深まり、自律神経が整いやすい
  • 疲れにくく、回復力が高まる

これは特別なトレーニングではなく、あなたが毎日行っている「歩く」という動作の質を変えた結果です。

シリーズを通して伝えたかったこと

こもれび治療院の施術の最終ゴールは、
「患者さん自身が、自分の生活で身体を整えられる未来をつくること」。
歩行は、その中心にあります。

靴・インソール・成長過程・生理歩行。この一連の流れを身につけることで、あなたの身体は“治る方向”に動き始めます。

これからも歩くたびに、あなたの身体がより健康になっていきますように。
ウォーキング・シリーズを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

こもれび治療院