第2回|「歩き方より先に“靴”を整える」——サイズの合った靴が治療の結果を決める

「歩き方を良くしたい」「姿勢を整えたい」と思ったとき、多くの方は身体の使い方や筋トレ・ストレッチに意識を向けます。しかし、こもれび治療院で最初にお伝えするのは、実は“靴の見直し”です。

なぜなら、どれだけ正しい歩き方を学んでも、靴が合っていなければ歩行の土台が崩れ、生理歩行に戻すことができないからです。靴は「体を治す装置」と言っても過言ではありません。

日本人の7割以上が「靴のサイズを間違えている」

こもれび治療院で足の計測(足長・足幅・足囲)を行うと、ほとんどの方が本来のサイズより1〜1.5cm大きい靴を履いています。これが不調の原因になっていることをご存じでしょうか。

サイズの合わない靴は、次のようなトラブルを引き起こします。

  • 外反母趾・内反小趾
  • O脚・X脚
  • かかとのねじれ・偏平足・浮き指
  • 膝痛・股関節痛・腰痛
  • 歩くと疲れる、前に進みにくい

つまり、靴のサイズ違いは「全身の不調」をつくり出すほど強い影響力を持っています。
靴が合わないまま歩こうとすると、身体はバランスを取るために“余計な筋力”を使い続けることになり、痛みや疲労が慢性化してしまうのです。

靴は「治療の一部」であり、整体の効果を伸ばす道具

整体で身体を整えても、歩くだけで元の悪い動きに戻ってしまう——これは珍しいことではありません。なぜなら、歩行が生理歩行から外れている状態で生活してしまうからです。

しかし、サイズの合った靴を履くことで、以下のような変化が起こります。

  • かかとが安定して身体の軸が通りやすくなる
  • 足裏で地面反力を受け取りやすくなる
  • 膝・股関節の負担が激減する
  • 歩行そのものが軽くなり、生理歩行の再現性が高まる

施術後の身体が長持ちし、再発しにくくなるのは、靴が「治療の継続」を支えてくれるからです。

足の計測は“健康管理”の第一歩

こもれび治療院では、JIS規格に基づいた正確な足計測(足長・足幅・足囲)を行います。足の幅や形は人によって全く違うため、「23.5cmだからこの靴」という選び方は本来できません。

靴選びは本来、以下のように行う必要があります。

  • 足長(縦の長さ)を計測する
  • 足幅・足囲(ワイズ:E、2E、3E…)を計測する
  • かかとの骨の形・アーチの状態を確認する
  • 足と靴の相性をチェックする

こうしたプロセスを踏むことで、初めて「身体が喜ぶ靴」を選ぶことができます。足の計測をせずに靴を選ぶことは、言わば“目をつぶってメガネを買う”のと同じ。合うはずがありません。

靴が合わないと、生理歩行が再現できない理由

生理歩行とは、身体の構造に沿った自然な歩き方のことです。
それが崩れてしまう最大の原因は「足部の不安定さ」です。

・靴が大きい
・かかとが浮く
・前滑りする
・横幅がブカブカ

このような状態では、足裏で地面反力を受け取ることができません。結果として、歩行が重くなり、身体が前に進みにくくなります。生理歩行を取り戻すためには、まず足を安定させることが欠かせないのです。

次回は「オーダーインソールで歩行の軸をつくる」

靴が歩行の“土台”なら、インソールは歩行の“軸”をつくる役割を持っています。こもれび治療院の手作りインソールは、ただのクッションではなく、身体に合った歩き方を再構築するための重要なツールです。

第3回では、インソールがどのように歩行を変え、なぜ整体の効果を最大化できるのかを詳しく解説します。靴とインソール、この2つがそろうことで初めて生理歩行のスイッチが入ります。

こもれび治療院