私たち人間は「二足歩行」という特別な能力を手に入れたことで、両手を自由に使い、文明を発展させてきました。しかし同時に、この二足歩行は身体に大きな負担も与えています。
肩こり・腰痛・膝痛・頭痛、そして自律神経の乱れ。こもれび治療院に来られる多くの方が抱える不調の背景には、「本来の歩行(=生理歩行)からの逸脱」が深く関係しています。歩くことは単なる移動手段ではなく、身体全体の働きを整えるための“設計図”そのものなのです。
二足歩行が生んだ「強み」と「弱点」
四足歩行の動物と違い、人間は立ち上がることで重力の影響を大きく受けるようになりました。本来、仙骨を中心に体を支え、地面反力を使って前に進むように設計されています。しかし現代人はデスクワーク、スマホ、運動不足、自転車、車、電車などでの移動などの生活環境の変化によって、生理歩行が崩れやすい状況にあります。
その結果、体は本来の軸を失い、筋肉による“頑張り”で姿勢や動作を無理に保とうとします。この過剰な努力が続くことで、慢性的な痛みや疲労、自律神経の乱れが生じてしまうのです。
歩行は「全身の神経がつながる瞬間」
歩行とは、足裏・仙骨・脊柱・脳がすべて連動して動く最も複雑で高度な全身運動です。歩くたびに足裏から地面反力を受け取り、それが仙骨や脊柱へ伝わり、自律神経の調整にも関わる脳へと情報が送られます。
正しい歩行ができている人ほど、姿勢が安定し、疲れにくく、痛みの戻りも少ない理由はここにあります。こもれび治療院で重視している「神経整体」や「構造医学」の視点から見ても、生理歩行の回復は非常に重要なテーマです。
なぜ現代人は歩けなくなったのか?
最大の理由は「歩行に必要な土台」が崩れていることにあります。
- サイズの合っていない靴
- 足の計測をしたことがない
- 地面反力を使えない歩き方
- 寝返り・ハイハイなどの“成長過程の動作”が再現されていない
これらはすべて、生理歩行から逸脱する原因になります。特に靴のサイズ違いは多くの不調の根本的な原因です。土台が崩れた状態で歩こうとしても、筋肉に余計な力が入り、身体はどんどん疲れてしまいます。
生理歩行を取り戻すことは「身体が治る未来」をつくる
こもれび治療院では、ただ痛みを取るだけの施術ではなく、「日常生活の中で健康をつくれる体」へ戻すことを目的としています。その中心となるのが、正しい歩行=生理歩行です。
今回の第1回では、二足歩行が身体に与える影響と、生理歩行が健康の基盤である理由についてお伝えしました。次回は、歩き方より前に整えるべき「靴のサイズ」について詳しく解説します。足長・足幅・足囲の測定がなぜ必須なのか、そして靴が歩行の成否を決める理由をお伝えします。
シリーズを通じて「歩くこと」があなたの健康を大きく変えることを感じていただけるはずです。





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